HD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limitedで明治村を撮る

 K-3IIに乗り換えて、まずは試し撮りとして明治村に行ってきました。K-5IIs買った時にも行きましたが、物撮り・テーブル・建築・遠景となんでも一通り被写体が揃っているので、試し撮りにはもってこいです。衣装レンタルもやっているので、その筋の仲間がいればハイカラなコスプレ写真も撮れます。

 このとき持って行ったのはHD PENTAX-DA 35mmF2.8 Macro Limited。スペックは最大撮影倍率1倍、換算53.5mmのいわゆる標準マクロです。
 とはいえ、本格的なマクロレンズというよりは、寄れる標準レンズというのが一般的な認識のようです。寄ってよし離れてよしの標準単焦点。そう考えると、Macroという名前から連想するよりも万能なレンズで、これ一本でたいていのものが撮れる。器用貧乏にならないように気をつけないといけませんが、いろいろ考えながら撮影する楽しさのあるレンズでもあります。

 さて、まずは猫……の置物。リンク先のFlickrに表示されるEXIF情報にもある通り、絞り開放で撮っています。
 あ、それと、今回掲載している写真について特に記載がない場合は、撮って出しJPEGに署名を追記したのみの無調整です。

IMGP0390.jpg
森鴎外・夏目漱石住宅

 ついでに等倍切り出しも。

等倍切り出し

 Macroと冠するだけあって、開放からなかなかシャープだと思います。まあいまどきのレンズは、開放から(少なくとも中央部は)シャープというレンズが多いですが。なおこのレンズは、リニューアル前のオリジナル版は2008年の発売。


 続いてもうちょっとマクロっぽいのを。明治時代の新聞紙。こちらも絞り開放。

IMGP0364.jpg
西郷従道邸

 前後にほどよくボケてます。こういう感じで撮ると、やっぱりMacroというだけあるなあという印象。最短撮影距離0.139mなので、ほんとよく寄れます。

 カスタムイメージを変えて一枚。「銀残し」。これも絞り開放。

IMGP0205.jpg
ミーレ式活版印刷機(鉄道寮新橋工場(機械館))

 金属っぽいものは銀残しで撮りたくなります。こういう重厚感のある色は好き。

 でもPENTAXはもっとカラフルな色を撮るべきかも。印象的な記憶色が綺麗なので。というわけで、今度はカスタムイメージ「リバーサルフィルム」で。相変わらず絞り開放。

IMGP0195.jpg
品川硝子ショップ

 よく見るとピントがペンダントじゃなくて、下の敷布に合ってしまってます。カメラの問題じゃなくて、撮影者がふらふらしてたからだと思われます。まあ布はよく解像してます(笑。
 筆者はほとんどの場合リバーサルフィルムで撮ってます。かなり彩度が高いので、人によっては嘘くさい、くどいという感想を持つようですが、筆者はそういうのが大好きです。記録色より記憶色派。なんでも現物より誇張されていた方が気持ち良いです。いっそ色飽和しててもいいやー、くらいの勢いです。

 ちなみに、リバーサルフィルムはFUJIFILM機でいう「Velvia」に近い色合いですね。Velviaとリバーサルフィルムの違いは、Velviaの方は明るく鮮やかな感じで、リバーサルフィルムは深みのある感じの色に思えます。実のところVelviaの方が好きです(笑。

 現物より誇張して見せたいものというと、お料理写真でしょうか。食道楽のカフェのカレーを一枚。これまた絞り開放。

IMGP0259.jpg
食道楽のカフェ

 このとき、限定メニューの丼物もありましたが、なんとなくカレーの気分だったので。でも丼の方がカラフルな感じで、写真には良かったかも。



 さて、室内の写真ばかりではなく屋外風景も。これは絞りF8です。

IMGP0047.jpg
帝国ホテル中央玄関

 もう少し近距離の建物を一枚。こちらは絞り開放。加えてサーキュラーPLフィルターを使用。

IMGP0272.jpg
北里研究所本館・医学館

 F8でも開放でも、どっちもごく普通に写っているという感じ。すごいキレがあるというのではないですが、ちゃんと普通によく写っているというような、そういう優等生感。気になる収差も歪曲もなく、中央と周辺の解像力の差もこんなものかなという程度。

 低感度の撮影ばかりなので、少し高感度の撮影も。聖ザビエル天主堂内をISO1600で撮影。絞りはF5.6。

IMGP0455.jpg
聖ザビエル天主堂(撮って出しJPEG)

 室内は文字通り真っ暗で、ステンドグラスから射す光だけがぼうっと明るいという状況。明暗差もあってかなりきつい環境ですが、暗いところもよく粘っており、ダイナミックレンジは良好。
 まあAPS-Cのセンサーサイズに2435万画素もあるので、ISO1600といえども暗部はややノイズ多めでしょうか。特に撮って出しJPEGは、重箱の隅をつつくような見方をすれば、暗い部分のディテールが潰れ気味かも。とはいえ、カメラの設定にもよるので、ノイズリダクションをどのくらいかけるかとか、シャープネスをどうするかとか、いろいろ試してみればまた違うでしょう。

 まあどんな設定で撮っても、後からRAW現像してやれば、RAWに記録されている限りのディテールは回復します。Lightroomで現像したのが下の画像。プロファイル補正と色収差補正のみONにして、他はデフォルト設定。

IMGP0455.jpg
聖ザビエル天主堂(RAW現像)

 なんかステンドグラスの色が変わってしまいましたが、まあそこはカメラ内現像とLightroomの現像レシピの違いでしょうか。暗部のディテールは撮って出しより良好です。等倍でじっくり見ない限り、どっちでもさほど変わりません。要するにISO1600くらいは、なんら問題なく使えそうということです。

 もっと上げてISO3200ではどうか。まったく違う場所の写真で申し訳ありませんが、大明寺聖パウロ教会堂内。

IMGP0050.jpg
大明寺聖パウロ教会堂

 かなり明るく写ってますが、実際の室内はもう少し暗いです。全体的に白っぽいので、あまりノイズも目立ちません。よほど重箱の隅をつつけば、聖パウロのディテールが潰れてますが、誰も気にしないでしょう。そうとう小さく写ってるだけですし。

むしろよく頑張っている気さえします

 これ以上を望む場合、素直にフルサイズのK-1とか使った方が良いかも。APS-Cのカメラとしては、充分すぎるほど実用的じゃないでしょうか。
 
 ……なんだかレンズの話から大きくズレた気がします。あ、でもK-3IIのテストでもあったんだから、別にいいのか?

 とりあえず話を戻してDA35mm Macro Limited。今回撮ってきた限りでは、とても使いやすいレンズという印象。"キレイ"とか"スゴい"というより、"使いやすい"。なんでも撮れる優等生。

IMGP0038.jpg
木漏れ日

 基本的に静物を寄って撮るのに向いたレンズだと思いますが、風景でもそつなくこなせる。PENTAXのレンズらしく色のりも良く、リバーサルフィルム設定で撮らなくても、なかなか彩度高く写ります。ここでは作例がありませんが、カスタムイメージ「雅」とかは、一般的にもかなり評判が良いようです。

IMGP0196.jpg
品川硝子ショップ

 風景だけなら、これより安いsmc PENTAX-DA 35mmF2.4ALでも、充分すぎるほど綺麗に解像よく写る。でも、寄って撮れるという強みがあるDA35mm Macro Limitedの方が、幅広い局面で活躍してくれそう。

IMGP0131.jpg
聖ザビエル天主堂

 気軽に持ち出して、目に付いた物や風景をスナップ、その気になればマクロ的にも写せる。最初に書いた通り、本当に「万能」なレンズだと思います。
 そりゃあ重くて大口径のレンズの方がキレイでスゴい写りをするでしょうけど、でかくて重いと、普段使いでは持ち出すのが億劫になりますしね。こういう小さくてよく写るレンズの方が、撮影の友としてはベストだと思います。
 Limitedレンズシリーズはまだこれ一本しか知りませんが、いずれ小さくてよく写ると評判。いろいろ使ってみたいですね。

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