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世界はどこまでも繋がっていく「ガールズ&パンツァー 劇場版」感想

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 久しぶりにアニメの話を。というか一年以上ぶりです。 前回 同様「 ガールズ&パンツァー 」、今回は劇場版の感想です。  劇場で先行公開したOVAでもそうでしたが、やっぱり大画面で観るガルパンは格別です。月並みな言い方をすれば「迫力が違う」という5文字におさまりますが、何しろウリが砲撃と無限軌道の戦車戦ですから、その映像、その音、その演出、すべてがテレビの小さな画面とはレベルが違います。  それに劇場版は120分という長時間で、たっぷり戦車道の真髄を魅せてくれますから、もう始終圧倒されっぱなし。冒頭からいきなり始まる戦車戦も豪速球でこちらの胸を射抜いてきますし、中盤からラストに至るまで続く長い長い殲滅戦でも、一部の隙も、欠片の無駄もなく、砲弾飛び交う戦車道に青春をかける少女たちの、その熱意と純粋さを観客に見せつけてくれます。  そして、物語のキーポイントとなる事件を核とした、閉塞感に満ちたドラマシーン。いったいどのように打破するのか、もう無理じゃないのか……という緊張感と圧迫感が、嫌が応にもクライマックスでのカタルシスを予感させる。  テレビ版からそうでしたが、ガルパンは王道のストーリーを盛り上げる演出が、抜群にうまいんですよね。シンプルかつ骨太なストーリーに、細やかな配慮が行き届いた絶妙の演出。「神は細部に宿る」を地で行く本作が、面白くないわけがない。  ……と、まぁずっと外枠の賞賛ばかりしていてもどうかと思うので、少し突っ込んだ内容を。といっても、前にもそうだったように、考察なんていう大仰なものは書きません。ま、読書感想文みたいなものです。  さて、劇場版の特徴としては、これまでに登場したキャラクター……、大洗女子学園はもちろんのこと、他校の主要キャラクターすべてが一堂に会する、オールスター戦の様相を呈しています。  知っての通り、本作は主人公が所属する大洗女子学園戦車道チームだけでも、相当数のキャラを擁しており、ましてや他校の主要キャラまで合わせると、とんでもない数になります。おまけに劇場版で初登場となるキャラクターも含めると、もう笑っちゃうくらいの大所帯。普通、これだけたくさんのキャラを出してしまうと、見分けがつかなくなったり、おざなりになるキャラが出たりしそうなものです。  しかし、本作は120分という限られた時間の中で、これら全キャラ

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.6 レース写真集・完

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 前回に引き続きF1日本GP。決勝で撮影した写真を並べていきます。 Squadra Toro Rosso STR10 / マックス・フェルスタッペン Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 600mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/200 Williams Martini Racing FW37 / バルテリ・ボッタス 600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/400 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 300mm・ ISO100・F16・1/100 Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ルイス・ハミルトン 400mm・ ISO100・F7.1・1/100 Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ルイス・ハミルトン 600mm(トリミング有)・ ISO100・F11・1/100

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.5 続々・レース写真集

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 前回に引き続きF1日本GP。決勝で撮影した写真を並べていきます。 Infiniti Red Bull Racing RB11 / ダニール・クビアト Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 600mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/400 Sahara Force India F1 Team VJM08B / セルジオ・ペレス 600mm・ ISO100・F6.3・1/400 Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン 600mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/400 Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン 400mm(トリミング有)・ ISO100・F9・1/160 Mercedes AMG Petronas F1 Team W06 Hybrid / ニコ・ロズベルグ 300mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/160 Infiniti Red Bull Racing RB11 / ダニール・クビアト 300mm(トリミング有)・ ISO100・F10・1/160

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.4 続・レース写真集

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 前回に引き続きF1日本GP。決勝で撮影した写真を並べていきます。 Scuderia Ferrari SF15-T / キミ・ライコネン Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 500mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/320 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 500mm(トリミング有)・ ISO100・F6.3・1/320 Sahara Force India F1 Team VJM08B / セルジオ・ペレス 500mm・ ISO100・F6.3・1/320 Squadra Toro Rosso STR10 / カルロス・サインツJr. 500mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/320 SILKYPIX「ハードモノクローム」テイスト

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.3 レース写真集

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 前回に引き続きF1日本GP。ドライバーズパレードが終われば、いよいよスタート進行です。  レコノサンスラップから国歌独唱、フォーメーションラップを経て、ついに2015F1日本GP決勝レーススタート。一周5.8kmのコースを53周、307kmを1時間半で駆け抜ける音速の祭典。  なおここから先は、トピックスがある場合以外は、時系列順に写真を並べていくだけにします。 Sauber F1 Team C34 / フェリペ・ナッセ Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM 260mm(大幅にトリミング)・ ISO100・F7.1・1/500 Williams Martini Racing FW37 / バルテリ・ボッタス 300mm(大幅にトリミング)・ ISO100・F7.1・1/500 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 300mm(大幅にトリミング)・ ISO100・F5.6・1/500

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.2 ドライバーズパレード!

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 前回に引き続きF1日本GP。日本GP恒例ドライバーズパレードの模様です。  往年の名車に乗ったドライバーがコースを一周する様はなんとも平和。上機嫌のドライバーだと、途中で車を止めてコースに降りて手を振ったりします。小林可夢偉なんかはよく自分の応援席の前で降りてましたね。  海外のドライバーたちも、この催しを楽しんでいるということをよく聞きます。ブーイングとか全くしませんしね、日本のファンは。どんなドライバーでも分け隔てなく声援を送ります。  さて、まず出てきたはレッドブルの二人。リチャルドが手に持ってるのはレッドブルの缶ですね。暑かったですからねぇ、この時。朝曇ってたのが嘘のように、カンカン照りの日差しが照りつけてました。 ダニエル・リチャルド ダニール・クビアト  続いてはロータスの二人。乗ってるのはちょうどロータスの車ですね。この時ばかりは二人ともリラックスした表情。 パストール・マルドナード ロマン・グロージャン

2015F1日本GP! 日曜決勝 part.1 イベントいろいろ

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 年に一度のF1日本GP、日曜はいよいよ決勝です。  この日は明け方に少し雨が降ったせいか、朝は少し曇り空。昼前にはすっかり晴れるものの、午前中は雨の匂いがかすかに漂っている、そんなお天気。 Canon EOS 70D + EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM  しかし、会場は朝早くからすごい熱気です。さすが決勝、たくさんのお客さんで埋まっていて、やはりF1開催時はこうでなくてはという感じ。  地元の食材を活かした屋台も、開店直後から盛況で、たこ焼きやら焼きそばやらを抱えたお客さんで大にぎわい。  特にGPスクエアの特設ステージ前は、朝の9時からこんな感じです。  金曜土曜もステージ前は盛況でしたが、日曜は桁違い。皆さん何をお待ちかねだったかというと、レジェンドドライバーのゲルハルト・ベルガー、鈴木亜久里のトークショー。

2015F1日本GP! 土曜セッション part.3 最速を決めるセッション

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 前回に引き続きF1日本GP。午前中は東コースエリアにいましたが、午後は場所を移動してヘアピン近辺です。  当初はヘアピン席下のエリアにしようかと思ってましたが、午前中に場所が埋まってしまっていたので、ヘアピン〜200Rの中間あたりのカメラマンエリアと、ヘアピンの頂点付近のカメラマンエリアで撮影することに。前者は少し遠い上に金網が微妙に邪魔ですが、後者はヘアピンの旋回中での撮影になるので、こちらは距離が近い。また車速が遅くなっているので、止め絵を取るのにはうってつけです。流し撮りしたい場合はどちらも向きませんが、まぁそれは今回は撮る気はあまりないので。  さて、予選が始まるとついに本番開始!という雰囲気。誰がポールポジションを獲るか、マクラーレン・ホンダ勢はせめてQ2には進めるのか。お客さんもみんな席について、固唾を呑んで見守る時間。 決勝が「最強を決めるためのセッション」であるなら、予選は「最速を決めるためのセッション」。天候やラバーグリップの状況、クリアラップを取れるかどうかという駆け引きはあるにせよ、決勝に比べれば勝負はシンプル。とにかく速く走れば良い。ポールポジションを獲った者こそが、その年、そのサーキットにおける「最速のドライバー」です。 Manor Marussia F1 Team MR03B / ウィル・スティーブンス 600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/200  同時に、最遅が決まってしまうのもまた予選の厳しさ。決勝であれば、レーシングアクシデント如何によっては、たとえ最速ドライバーでも最下位でレースを終えるということがありますが、予選ではマシントラブルならびに他車のクラッシュによる影響以外の言い訳は効きません。  そして今年最下位の常連なのがマノー・マルシャの2台。前年度はケーターハムがいたので、彼らと最下位を分けあっていたものですが、今年はライバルがいなくなってしまったので、ぶっちぎりのビリッケツ。来年はメルセデスエンジンを積むそうなので、多少良くなる可能性はありますが、主要スタッフの離脱のニュースも聞こえてくるので、まだまだ厳しいレースが続きそう。がんばれテールエンダー。 Manor Marussia F1 Team MR03B / アレクサンダー・ロッシ 600mm(トリミン

2015F1日本GP! 土曜セッション part.2 名門の資質

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 前回に引き続きF1日本GP。リアルタイムではもうロシアGPもアメリカGPも終わって、ついでにワールドチャンピオンまで決まっていますが、のんびりやります。とりあえずハミルトンおめでとう!  さて土曜最初のセッションはフリー走行三回目。この日は当初の予定ではB席スタンド上のカメラマンエリアから撮影するつもりでしたが、大量の羽虫が発生していてそれどころではなかったため断念。午前中はC席・D席のカメラマンエリアに陣取ることに。  金曜日とは打って変わって良い天気のうえ、土曜日なだけあってお客さんはいっぱい。客席に座っている人や両隣のカメラマンの邪魔にならないように、周囲を気にしながらの撮影です。 McLaren Honda MP4-30 / フェルナンド・アロンソ 600mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/100 Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM  金曜のウェットコンディションでもけっこう走っていましたが、ドライコンディションはこの週末初とあって、みんな忙しく周回します。第二の母国レースとなるマクラーレン・ホンダ、財政難という逆境の中でのグランプリとなるロータスあたりは、見ている方も事情を知っているだけに、その気迫が伝わってくるかのよう。 Lotus F1 Team E23 Hybrid / パストール・マルドナード 600mm(トリミング有)・ ISO100・F9・1/100

2015F1日本GP! 土曜セッション part.1 現地の熱気

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 金曜セッションを翻弄した雨雲は夜のうちに通過して、土曜日は朝から雲こそ多いものの、青空の見える好天に恵まれました。  フリー走行3回目と予選が予定される土曜日。なんだかんだで平日の金曜日ではなく、平均的には休日となる土曜日からは、お客さんの数もぐっと増えるので、雨でなくてほんとよかったです。  ちなみに、土曜からはさすがに渋滞するかな……と思いながら伊勢湾岸道を飛ばしてきましたが、特にそういうこともなく(さすがに鈴鹿近辺は少し混んでましたが)、普通に到着。むしろ鈴鹿1000kmとか8耐とかの方が混んでるような? F1は公共交通機関で来るのがセオリーになっているので、意外に一般道は混まないのかも。  あるいは、ガチ勢のそれなりの数が、金曜から泊まり込みになっているからとか? 泊まり込み勢の夜明け FUJIFILM X-A1 + XC16-50mm F3.5-5.6 OIS  駐車場にテント張って夜を明かしますからね、彼ら。金曜〜月曜までこの状況。まぁ私も、たまたま車で通える距離に住んでいなければ、こうしてたでしょうね多分。  そんなガチ勢の駐車場を抜けてサーキットボウルの方面に歩いて行くと、ドライバーの入り待ちの人々が群れをなしてます。 FORCA!MASSA  なお、この光景は毎年恒例ですが、今回気づいたのは、どうもファンが並べてる国旗の位置までもが、少なくとも去年と全く同じじゃないかということ。覚えてるんですよ、特にマッサのブラジル国旗。この人たち、毎年誰よりも早くきて、この位置を陣取ってるんですかね。素晴らしい情熱です。  彼らだけじゃなく、そもそもみんな朝早いんですよね(まぁ筆者もですが)。好天の下、まだ8時ちょっとすぎだというのに、現地には続々とファンが集まってきています。 続々と集う  ショップの人たちも今日からまさに本番。パンフレットや公式グッズを物色するお客さんをさばくのに忙しそう。

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.4 続・ドライバー雑感

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 前回に引き続きF1日本GP。  フリー走行1回目が終わった後は、西コースまで移動してスプーンに到着。途中、ヘアピンの売店で昼食をとって、あとはスプーンのカメラマンエリアで待機。  この頃になるとさすがに雨はほぼやんでいて、なんとかレインカバーもいらない感じに。このまま最後まで行けるとありがたい。  さて、こちらのカメラマンエリアでは、200Rを脱出してスプーンに進入するまでを、正面から捉えられる場所に陣取ります。このポイントは今回初めて。  直線上のマシンはかなり遠くなるし、コーナー進入時は金網が邪魔と、非常に限定されたカットしか撮れそうにないですが、まぁ600mmに賭けてみましょう。  というわけで、こんな感じになりました。 Lotus F1 Team E23 Hybrid / パストール・マルドナード 400mm(トリミング有)・ ISO200・F7.1・1/320 Lightroomプリセット「Gritty-Medium」適用  うーん……。 Lotus F1 Team E23 Hybrid / ロマン・グロージャン 600mm(トリミング有)・ ISO200・F6.3・1/320 Lightroomプリセット「Gritty-Warm」適用  トリミング前提ならなんとか……という感じ。上は1/4、下は2/3くらいにトリミングしています。もっとコーナーに近づくまで待てば、トリミング不要なくらいに大写しできますけど、その場合は背景が全て路面になります。  それに1台だけだと非常に寂しい絵面になってしまうし、できれば何台かでバトルしているところを写したい。難しいなぁ、この場所。フリー走行や予選のように、単独で走っている時には向かないですね。

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.3 ドライバー雑感

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 前回からの続きでF1日本GP。  FP1はとにかく逆バンクに張り付きです。  ところで、150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryのカスタム設定についてですが、現在はAFを「品位優先」、OSを「ダイナミック」、フォーカスリミッターは設定なしで主に運用してます。  「速度優先」でフォーカスリミッター設定した方が早いのはわかってますが、モタスポ撮影にそこまでの速度ってあまりいらないんですよね……。ロングストレートのトップスピード付近とか、あるいは遠ざかるマシンを後ろから写す際には使えると思いますが、それ以外の場面においては、品位優先で事足りる。それに速度優先だとやっぱり精度に不安が。なので、私の場合は上記設定がメインです。 Squadra Toro Rosso STR10 / マックス・フェルスタッペン 600mm(トリミング有)・ ISO125・F7.1・1/200 Canon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary  さて、コース上ではひっきりなしにドライバーが周回を重ねてます。上の写真は今年度最大の有望株マックス・フェルスタッペン。賛否両論あるドライバーですが、私はここ2〜3年の新人では、彼が最もワールドチャンピオンの匂いのする新人だと思います。  コース上で見せるオーバーテイクへの執念、コース外で見せる傲岸不遜な態度。まさにF1チャンピオンの資質。王者というのはワガママで自信満々な人にしかなれないんですよ。  最近はセバスチャン・ベッテルがなんだか性格の良いナイスガイみたいに語られてますが、彼がマルチ21騒動を起こしたことはつい2年前の話。同じです、彼もね。そうでなければ勝てない。マレーシアでウェバーをぶち抜いて行ったのを観た時は「これが王者だよなぁ」とニヤニヤしました。  ベッテルに比べれば、さすがにまだ若い分だけ荒削りな部分も多いルーキーですが、これから成長して、押すところと引くところのラインを完璧に制御できるようになったら、手がつけられないでしょう。楽しみなドライバーです。  そのフェルスタッペンの同僚がカルロス・サインツJr.。 Squadra Toro Rosso STR10 / カルロ

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.2 高い機材より……

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 前回からの続きでF1日本GP。  カメラマンビブスを装着した後は、てくてく歩いて逆バンクまで移動します。今回、F1のチケットの他に、カメラマンミーティングの参加にも申し込んでいたので、それに付随して、現地でお高い機材を貸してもらえる予定なのですよ。  その機材というのが、7D Mark IIに加えて、100万円前後もする超高級機材! いやー、どきどきしますね。落として壊しちゃったらどうしようとか(笑  貸し出しのテントはE席上段……つまり逆バンク〜ダンロップコーナー席の最上段。丘の上って感じのところです。  現地で機材を見てみると、もううわーって感じのレンズがずらり。すごい大砲がひいふうみい。「どれにしますか?」というので、私が選んだのがこちら、 EF500mm F4L IS II USM 。  いやもう……、これ量販店だと100万円の値札が付きます。テンション上がりますわぁ。  しかし、高揚する気分に水をさすかのように、待ち時間の間に雨が強くなってくる。持参してきたポンチョを着ているので、当人は問題ありませんが、機材とコース上には不安がつきまとう。  まず1点目の問題としては、いくら防塵防滴とはいえ、やはり雨の中で自分のものではない高級機材を使うのは気がひける。もちろんレインカバー付きだし防塵防滴だし、滅多なことでは問題ないとはいえ、値段が値段だから……。  それともう一点は、雨の金曜フリー走行は、走行を見合わせられる可能性が高いこと。こちらの方が問題は大きいですね。  現代F1は年間で使えるPU数に規定があるので、土日で晴れる可能性が高ければ、雨の金曜日はPUのマイレージを稼ぐ(負担を軽減する)ために、走行しないという選択をとる場合が多いんですね。雨と晴れではセッティングがまるで違いますし、雨のコースでテストしたところで、晴れる土曜と日曜の参考にはならないわけです。  この週末の天気予報でも、土日の降水確率は10%程度なので、雨の気配は無視して良いレベル。金曜フリー走行はスルーするというのが、ベターな選択。  前回のブログで「現地観戦組にとって金曜の雨は土日のそれよりつらい」と書いたのは、それが理由です。  せっかくサーキットまで来ても走ってくれないんじゃどうしようもない。かといって自宅で待機というわけにもいかない。もし走るん

2015F1日本GP! 金曜フリー走行 part.1

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 ホンダレーシングの歴史とはすなわち無謀な挑戦の歴史でした。ろくにレーシングマシンなんか作ったこともなく、そのうえ倒産寸前だった経営状態の中で突然マン島TTレースに出場すると宣言してみたり、自社で初めて作る四輪車(トラックとオープンクーペ)と同時にF1マシンを開発していたり、いいテストコースがなかったからという理由で自分たちで国際サーキットを造成したり、無謀を通り越して狂気の沙汰としか言いようのないことばかりやってきたのが、ホンダという会社です。  しかし、その無謀と狂気を現実に変えていったという事実が、ホンダレーシングの凄味。マン島TTレースでは参戦3年目にして優勝、それも完全制覇と呼べる内容で制し、F1では参戦2年目の最終戦メキシコGPで初優勝。第二期ホンダF1では、マクラーレン・ホンダ体制の1988年に、16戦15勝という驚異的な勝率でシーズン制覇。そして鈴鹿サーキットは世界のトップドライバーたちが「真のドライバーズサーキット」と称賛を惜しまない、名コースのひとつとして名を馳せています。  やるからには必ず勝利し、完全制覇するまで終わらない。それが栄光と名声をほしいままにした、ホンダレーシングというレース屋集団だった。  しかし、何事もうまくいくことばかりではありません。敗北と挫折にまみれて活動を終了した、第三期ホンダF1の屈辱は記憶に新しい。B・A・Rホンダ〜ホンダワークスまでの9年の内わずか1勝しか出来ず、最後の2年は「惨敗」としか言いようのない成績のまま撤退。そのうえ、チームを売却した先のブラウンGP(のちのメルセデスAMG)が、2008年にホンダが最後の切り札として開発していたマシンを用いて、ドライバーズ・コンストラクターズを制覇。ファンも、そしておそらくはホンダ自身も、あれほど悔しい想いをしたことは他になかったことでしょう。  国内レースにおいても、スーパーGT・スーパーフォーミュラ共に、トヨタや日産の後塵を拝し、「もうセナ・プロの時代じゃないんだから」とドライバーにまで言われる始末。インディカーや二輪レースでは相変わらず最強クラスのメーカーとして君臨しているものの、日本の四輪レース、特にF1ファンにとっては、「勝てなかった第三期ホンダF1」の印象はあまりに強すぎた。インディでどれだけ強くても、二輪でどれだけ最速でも、それだけでは気分は晴れ

夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.6

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 前回からの続きで、鈴鹿1000km編。  ひたすらシャッター切ってたら、1枚目のSDカードがいっぱいになったので、いったんテントの休憩所に退避。失敗写真の削除作業に入ります。  筆者は基本的に腕がヘボいので、大量の手ぶれだのピント合ってないのどうしようもないのが量産されているため、定期的にそういうのを削除しないと、家に帰った後に泣きを見るんですよね……。普段は10枚ほど撮ってはそういう作業を繰り返すんですが、雨降ってて操作の自由度が効かないので、今回はダーっと撮ってから一気にやることに。幸い耐久レースなので、時間はたっぷりある。  まずはレインカバーを外さねば。そういえば雨は浸みてないよね?とドキドキしながらカバーをめくると、うおお鏡筒がなんか妙に濡れている!くそぅ、やっぱり雨の日はこうなるか!  なぜ濡れているかというと、湿気がこもるからですね。レインカバー自体はしっかり仕事をしていて、ぜんぜん水を通してないんですが、なにぶん湿度自体が高い上になんだかんだ夏なので、湿気がこもって濡れてしまう。  やだなぁこれ、表面だけならいいけど、レンズ内部に結露したらカビが生えちゃうじゃん……。このレンズ(SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporary)、マウント部だけはゴムシーリングしてあるけど、他はノーガードですからね。こういう時は「やっぱりContemporaryじゃなくてSportsにするべきだったか?」とか、「Lレンズを導入すべきか……」とか思っちゃう。  まぁ嘆いていても仕方ないので、濡れた鏡筒を拭き拭きして、レインカバーはバッサバッサと水を飛ばし、広げて脇に。さいわいこの休憩所はそこそこスペースがあるので、混み合うまではこれでなんとか乾かそう。その間に、ディスプレイを見ながらダメなのをひたすら削除。  しかしここでトラブル発生。寝不足と日々の疲れが出たか、削除作業中に寝落ち!カメラを持ったまま、ふっと眠気が来たかと思ったらそのまま意識が暗転。しばらくずっと寝てしまいました。  そして起きたら、なんと晴れているではないか! 実際のところ寝ていたのは数十分でしたが、その間に晴れ間が出ているとは。急いで削除作業を完了して、観客席に復帰。見たところセーフティカーラン中だったので、再び歩いて逆バンクまで。

夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.5

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 前回からの続きで、鈴鹿1000km編。  降り続く雨の中、まだまだ逆バンク近辺でがんばります。というか雨の中をそんなに歩き回りたくない。ちょろちょろ動き回ってる間に機材が濡れるかもしれないし、ここと決めたらじっくり腰を据えておきたい。なお前回書き忘れましたがCanon EOS 70D + SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryです。決勝はこれ一本。 Audi Team Hitotsuyama R8 LMS ultra 600mm(トリミング有)・ ISO200・F11・1/100  雨が止めばともかく、そうでなければ、あと2〜3エリア回るだけかなという程度。晴れてたらスプーンまで遠征しようかと思ってましたが、今日は自重。  これがF1かF1開催後のイベントだったら「もう今日カメラが壊れちゃってもいい!」という覚悟で好き放題動き回りましたが、8月末時点のスーパーGTでそれはできない。まぁF1だとエリアが限定されるから、動くに動けないんですがね。今年はカメラマンエリアチケット買ってるよ! JMS LMcorsa Z4 280mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/125

夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.4

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 前回からの続きで、鈴鹿1000km編。  レーシングシアターから出ても雨はまだ降り続いているし、決勝スタートまで特にやることもないので(というか歩き回りたくないので)、グランドスタンドで雨宿り。早めの昼食として梅おろしトンテキ弁当を食べつつ、雨やまないかなーと期待して待つことしばらく。結局雨は降りやまず、しとしとと落ちてくる雨粒の中をてくてく逆バンクまで。  こうなったら仕方がない、覚悟していた通り、雨の中での撮影だ!  で、今回装着しましたのが、こちら、 マーティンのレインカバー 。アイカップのところで留められるのが使いやすそうで買いました。あとCanon純正は高いし……。  レインカバーは初体験なので、どのくらい雨を防げるのかなー、とおっかなびっくりです。  そうして開会宣言やら国歌演奏ののち、恒例の「Are you Ready!?」をやって、ついに鈴鹿1000km決勝フォーメーションラップ。  まずはGT500クラスの車両からうねうねウィービングしながら走ってきます。  S Road MOLA GT-R 600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/250 CALSONIC IMPUL GT-R 600mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/250  雨の中だけど普通っぽいですか? でもこれはまだフォーメーションラップ中ですからね……。上の写真はちょっと強めにレタッチしていますが、撮って出しのJPEGでもまぁ雨の気配は大して見えません。  しかしレースが始まったらこんなもんじゃあない。

夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.3

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 前回からの続きで、鈴鹿1000km編。  予選から一夜明けて決戦の日曜日。朝からあいにくの雨で、天気予報でも降水確率は一日中高止まり。こりゃ大変だと思いつつ、それでも家でテレビ観戦という選択肢も、撮影はやめて屋根の下で観戦という選択肢も採用せず、「雨のモータースポーツ写真!」という感じで意気揚々と家を出る。9月末にはF1ですし、もし雨が降った時のため用に買ったレインカバーも試したかったのでね。  あ、でも今回アップされている写真は、すべてPENTAX Q10と01 STANDARD PRIMEによるものです。レースの写真はまた次回以降に。  さて、観客数の多いスーパーGTのこと、かなり早朝に家を出まして開場30分くらい前には鈴鹿近辺にいましたが、それでもサーキットの駐車場は満車。しかたない民間に駐めるか、と考えましたが、その前にダメ元で南コースまで足をのばしてみることに。昨年だか一昨年だかはこちらの臨時駐車場もチケット制だったけれど、もしかするとそれ以外の人にも開放してるかも。どうせ決勝のスタートは午後からだし、時間はあるしということで行ってみたところ、ビンゴ、前売り駐車券なしで駐められました。  しかし、未だに不思議なのは、南コースへの道を入って行って誘導されたのが、西パドック駐車場なんですよね。他のお客さんは駐車場とは名ばかりの南コース上に誘導されてるのに、一体なぜ……。  しかも誰も集金にこないぞ。いやまぁ元々SMSC会員特典でタダで駐めさせてもらおうと思ってたから同じことだけど、なんだか落ち着かない。  それに同じ駐車場内にチームトレーラーとか競技車両みたいなのとか駐めてあるし……。 西パドック駐車場にて カーナンバー31はaprプリウスだけど……  まぁ深くは考えまい。  とりあえず、寝不足で猛烈に眠かったため、車内で少し仮眠をとることに。1時間ほどサーキットから聞こえてくるFIA F4選手権のエンジン音を子守唄に、ぐーぐー寝てました。  そして起きたら少し小雨になっていたので、行動開始です。南コース臨時駐車場からだと、近いゲートは西ストレートゲート。でもこのゲートから入ると、雨でぬかるんだ道を歩かなきゃいけない。  重いカメラを背負ってるし、間違って転んで壊したらヤダな……と不安になったので、西ストレー

夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.2

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 前回からの続きで、鈴鹿1000km編。  土曜午後は西コースで(というかヘアピンで)撮影。レンズも150-600mmから55-250mmに変更。  このEF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM、ピント調整する前は「歩留まりってなんだっけ」レベルでとにかくピントが合わないことに悩まされましたが、調整してからは実用レベルまで改善。画質もカチッとした描写で好ましく、そうとう実力のあるレンズだなぁと、ようやく巷の高評価が納得いきました。  そらまぁ、お高いレンズに比べれば「AF爆速!」とはいかないし、防塵防滴なわけでなし、流し撮りモードもついてやしません。それにテレ端の周辺減光に至っては思わず笑っちゃうくらい盛大。  例えば下の写真はポルシェ・カレラカップの写真ですが、こんな色の濃いアスファルトばっかりの背景でもはっきり分かるくらい、四隅が減光してます。 ビンゴレーシング Canon EOS 70D + EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STM 250mm・ ISO320・F5.6・1/320  でも何しろこれ実売2万5千円程度ですしね。ワイド側では問題ありませんし、周辺減光くらい後処理でどうとでもなりますし、些細なことです。それよりも、ちゃんと追従してくれるAFやら、ジャスピン時の解像やらのほうがよほど重要で、そちらはまったく不満なし。 ビンゴレーシング 250mm(トリミング有)・ ISO100・F7.1・1/80  サーキット全域を考えると、テレ端250mm(換算400mm)は短いですが、ヘアピンの最前列からならちょうど良い焦点距離。ワイド端55mm(換算88mm)なら真横からでもマシン全体が入りますしね。  レンズが小さくて軽いので一脚も要りませんし、雨が降ってもレインカバーは小さいので済みますし、機動性も大変良いです。

夏の思い出たち 鈴鹿1000km編 part.1

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 夏の思い出、次は8月29・30日に開催されたインターナショナル SUZUKA 1000kmです。1966年より続く日本モータースポーツ夏の祭典。本年も現地観戦してまいりました。  昨年一昨年は溶けるほど暑いカンカン照りでしたが、今年は曇天と雨の中でのレース。ある意味で過ごしやすい中での開催と言えなくもないですが、やっぱり鈴鹿1000kmは灼熱の太陽の下が似合うので、ちょっと残念だったかな。  とはいえ、F1の観客数に迫らんとするスーパーGTのこと、悪天候を物ともせず、両日とも現地観戦組で大盛況。台風直撃というわけでなし、雨が降ってる程度ならどうってことないない。 ARTA CR-Z GT 600mm(トリミング有)・ ISO100・F8・1/125  そんなわけで、まずは予選です。この日は午前中のセッションをSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryで、午後のセッションをCanon EF-S 55-250mm F4-5.6 IS STMで撮影。  55-250mmは、8耐の後に他のレンズと一緒にCanonサポートにピント調整に出したので、その確認も兼ねてです。  ……実はこれは150-600mmをピント調整に出す前に出さなければいけなかったんですが、うっかりしていて逆になってしまいました。  Canonサポートのピント調整だと、まずボディを調整して、その後にレンズを調整するという手順を踏んでいるとのこと。通常なら問題ないのですが、150-600mmはこれより前、つまり今回ボディを調整する前の、未調整のボディに合わせてレンズをピント調整してしまっている(当たり前ですがSIGMAは別会社であるCanon機のボディの調整はしない)。  この状態でCanonでボディ側の調整が入れば、SIGMAレンズ側のピント調整は台無し。いや台無しは言い過ぎかもですが、まぁズレはしますよね普通に考えれば。   Canonに機材を預けてきた後に「あっ、これまずくね?」と気がつきましたが後の祭り。なので今回の鈴鹿1000kmでは、150-600mmで撮影した写真の歩留まりがかなりアレな有様(笑。  その代わり、ちゃんとピント調整したEF-S 55-250mm F4-5.6 IS STMの写りはたいへん向上して

夏の思い出たち 鈴鹿8耐編 part.4

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 前回からの続きで、鈴鹿8耐編。  モータースポーツというと主役はほぼ男ですが、だからといって女の見せ場がないかといえばそんなことはない。あんまりいないだけで女性レーサーはちゃんといますし、エンジニアとしても活躍しているでしょう。クレア・ウィリアムズやモニシャ・カルデンボーンなんてF1チームのトップです(クレアはいちおう副代表の肩書きですが)。  そして今も昔も、サーキットを彩る花として、レースクイーンは真夏の熱気に笑顔を振りまきます。他の仕事は男女どっちでもできますが、レースクイーンだけは、少なくとも見た目は女性じゃないとできません。  ま、細かい話は無しで、今回は写真を並べるだけに。なお撮影はすべてFUJIFILM X-A1にXC50-230mm F4.5-6.7 OISです。 SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM F.C.C. TSR Honda PLUS ONE MCRT & TOM FLYBOARD JAPAN