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10月, 2014の投稿を表示しています

境界の匂い

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 寺とか神社とか好きで、よく見に行ったりします。旅行でも優先的にそういうスポットを選んで行き先を決めますし、休日に暇だと近場の寺社仏閣に足を運びもします。  とはいえ特段勉強して詳しいというわけでもなく、多分に「雰囲気」が好きなんですよね。そこにある縁起や歴史よりも、その場所に集う人や街の気配、そういうものにこそ魅力を感じます。 大提灯(大須観音) PENTAX K-5IIs + SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC HSM  特に、地域密着型というか、その地域に寄り添うようにして建つ寺社は、俗世の猥雑な気配や煩悩が苔のようにこびりついている感じがして、なんとも言えない味わいがあります。名古屋近辺が行動範囲の中心となっている自分にとっては、例えば大須の万松寺、あるいは大須観音(真福寺宝生院)あたりが好みです。神社よりお寺さんのほうがなんとなく市民に寄り添ってる感じでしょうか。神社はもうちょっと超然としたイメージです。氏神さまだとそうでもないですが。 浄水にとまる鳩(大須観音) PENTAX K-5IIs + SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 II DC HSM

子供の遊び場

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 鈴鹿F1が終わって数日後、S状結腸憩室炎にかかって入院してたりして、なかなかブログの更新もしてません。  医者からは安静にしていろと指示があって、もうすっかり治ってるはずですが大事を取ってWTCCも観に行かず、写真を撮りに遠出もせず、健康的だか不健康だかよくわからない毎日です。  さて、遠出をしないとはいっても近所は散歩します。こないだの土曜日もピント調整から返ってきたレンズをK-5IIsにつけて、ぶらぶらその辺を散歩したり、大須観音まで出かけたりしてました。 PENTAX K-5IIs +  SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 II DC HSM  で、名古屋はまぁそりゃ人出は多いんですが、近所の神社はこれが見事に誰もいない。私が子供の頃は、休日ともなれば友達と集まってよく遊んでたんですけどね。春夏秋冬いつの季節でも。  もちろんリアルタイムのファミコン世代なので、家に集まってテレビゲームしてることもあるわけですが、だいたいどこかのグループはいるわけですよ、神社に。広い公園なんていう気の利いたものはありませんから、表で遊ぶとしたら神社か寺の境内か、あるいは学校の校庭しかなかった。  まぁ今はひとつ広い公園ができたので、子供たちはそっちに行ったんだろうという可能性はある。町中の小さな氏社よりは、そりゃ広い公園の方がボール遊びしてても怒られなくて済むだろうし。あるいはみんな塾で勉強してたりとか? PENTAX K-5IIs +  SIGMA 18-200mm F3.5-6.3 II DC HSM  いずれにせよ、子供のいない寺社というのは寂しいもんですね。これが熱田神宮とか大須観音みたいな大きなとこなら、子供の遊び場としてはふさわしくないですが、町中の神社やお寺さんはやはり子供の遊び場であってほしいと思います。  ひと気のないひっそりとした境内より、たまに飛んでくるボールでどこか壊されても、子供の歓声が聞こえる方が、狛犬もきっと楽しいんじゃないですかね。  まぁ管理する人たちは「冗談じゃないよ!」かもしれませんけどもね。

20年ぶりの「雨の鈴鹿」

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 先日鈴鹿サーキットにて開催された2014年F1日本GPは、例年のような「最高の思い出を残しつつ無事に――」とは言えない、なんとも重苦しい幕切れとなってしまいました。 ジュール・ビアンキ、クラッシュで意識不明の重体 http://f1-gate.com/bianchi/f1_25205.html ジュール・ビアンキ、深刻な頭部外傷で緊急手術:FIA公式発表 http://f1-gate.com/bianchi/f1_25212.html  「ドライバーなら誰だって走っていて楽しいはずだ」「神の手で作られたサーキットじゃないかと思う」「幼い頃からここで走ることを夢見てきた」と、ドライバーたちから高い評価を受けるドライバーズサーキット・鈴鹿。しかし、ドライコンディションでは最高の愉悦をフォーミュラ・パイロットに与えるレイアウトも、ひとたび雨天ともなれば、その特異かつ複雑なコーナーの連続が、攻める者たちに危険な牙を剥く。  思い起こせば、フリー走行や予選では大雨に見舞われたことがしばしばありましたが、鈴鹿の決勝レースがフルウェットで開催されたのは、実に20年も前に遡らないとありません。  時は1994年。この数字に苦い思い出を想起されるF1ファンは世界中にいるでしょう。最も有名な出来事は、アイルトン・セナとローランド・ラッツェンバーガーが天に召されたサンマリノGPイモラ・サーキットですが、鈴鹿サーキットにおいても忘れられない出来事がありました。  豪雨の中、スピンするマシンが後を絶たない状況でそれでも続けられた13周目、第7コーナー出口でフットワークのジャンニ・モルビデリがクラッシュし、その直後に同じ場所でマクラーレンのマーティン・ブランドルがコースアウトしてタイヤバリアに激突。この時、モルビデリのマシンを撤去していたコースマーシャルをブランドルのマシンが撥ね、マーシャルが脚を骨折するという事件が発生したのです。  そして月日は流れて2014年10月5日。20年ぶりとなった「雨の鈴鹿決勝」は、20年前の鈴鹿を想起させるような、なんとも後味の悪い事件となってしまいました。 鈴鹿S字コーナーを攻めるジュール・ビアンキ(2014F1日本GPフリー走行2) PENTAX K-5IIs + SIGMA APO 120-400mm F4.5-5.6

F1、おカネの話

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 熱帯地方と化したかのような夏も終わり、いよいよF1日本GPが鈴鹿サーキットにおいて開催されるウィークエンドを控え、モータースポーツニュースも活気づいてくる中、ひとつの報告がF1チームから発信されました。 「ケータハム、可夢偉の日本GP参戦を発表」 http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=60269  ほっと胸を撫で下ろすと同時に、「なぜレギュラードライバーがちゃんと参戦するというだけでニュースにならなきゃいけないんだ」と腹を立てるファンも多かったことでしょう。まして、鈴鹿サーキットにおいて過去に様々なドラマを生み出した、"世界に通用する日本人ドライバー"小林可夢偉となればなおのこと。他チームのエース格と比べても引けをとらないレースパフォーマンスは周知の通り。スポット参戦のドライバーに毎回のようにシートを譲る譲らないの、いっそ毎レース最下位を譲らない同僚マーカス・エリクソンを交代させれば良いじゃないかと、半ば八つ当たり気味にそう考えてしまっても無理ない話。  しかし、速さには疑いのない小林可夢偉を下ろしてでも、未知数のルーキーから入るであろう「マネー」に頼らなければいけないということが、ケーターハムの、ひいてはF1が抱える闇を象徴しているといえるでしょう。 鈴鹿S字コーナーを攻めるギド・ヴァン・デル・ガルデ(2013年) PENTAX K-r + PENTAX smc DA 55-300mm F4-5.8ED