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その先にある、輝けるもの

 仕事が忙しくてブログの更新が滞っていましたが、今日から何とかお休みをいただけたので、溜まっていた色々を片付けていきたいです…。  さて今回のフィギュア全日本選手権大会の女子フリー、文句なしの優勝は浅田真央ですが、個人的に最優秀選手だと思うのは安藤美姫です。  終盤に入りかけた際のトリプルフリップで転倒、その際に肩を痛めたのか苦しげに演技が停まった場面があり、その時点でもはや優勝どころか表彰台、あるいは演技の継続すら危ういかと思われましたが、そこからの巻き返しが凄まじかった。  特にステップワーク。安藤のステップは女子では全盛期の荒川静香に匹敵するレベルに達していると思うのですが、今回はそれがいつにも増してキレが良かった。あるいはかつての佐藤有香ですら、これだけスピーディなリズムをこの完成度で刻めたか。  その上、上体の演技もおざなりになるどころかますます大きく早く、ラストのスピンに至るまで負傷の影響など微塵も感じさせない、すばらしい演技を魅せてくれました。  アクシデントに泣かされた演技とはいえ、私個人は、少なくとも今期の安藤の滑走の中で最も素敵な演技だと思っています。  …よくジャンプで転倒した際、実況や解説の人が「気持を切り替えて~」などというコメントをしますが、今日の安藤は切り替えるどころか、悔しい気持を抱いたまま、その逆境をエネルギーに変換して滑走しているかのような、そんな気迫を感じました。  技術や努力、あるいは才能といったものだけでは到達し得ない、すべてを包含してさらにその先に輝く何かを、今日の安藤は確かに手にしていた。残念ながら表彰台の頂点は逃したものの、これからの競技人生において、何よりも大事なものを全身で掴み取ったのではないでしょうか。  次回の滑走がとても楽しみです。 2006年12月29日

時代の風は

 新宿で男性の切断遺体が見つかったそうですね。どこの推理小説ですか、と聞きたくなるような事件です。全国各地で似たような切断死体が見つかって、いずれもある箇所が欠損しているというような展開なら、リアル「占星術殺人事件」(島田荘司)だなっと。ああ、不謹慎。  その内、コメンテーターとして、ミステリマニアですら聞いたことのないような"推理作家"の人が、なんやかやとコメントするんでしょうか。…かといって、二階堂黎人さんとか西澤保彦さんが出張ってきても目が点になっちゃいますが。  さて、フィギュアスケートGPファイナルがテレビ放映されてました。実はF1や格闘技よりも前からフィギュアを観ている口なので、放映していれば必ずチェックしています。会場にこそ行ったことはありませんけどね。  とりあえず、日本人選手が高橋大輔、織田信成、村主章枝、安藤美姫、浅田真央の5人。あと、日本ではなくアメリカ選手としてのエントリーですが、ペアで井上怜奈もいますね。  日本勢が多いなー。それに上位を狙える選手がとても多くなった。特に男子は、ちょっと前までは本田武史、あるいはもっと前なら鍵山正和くらいなものでしたが、いまなら高橋、織田のツートップに加えて小塚崇彦もいる。層が厚くなったし、あらゆる大会で上位に入れるんじゃないかという期待を抱かせるに充分な存在感もある。まぁ、一昔前のように、男子フィギュアの上位はスーパースターがズラリ、という状況ではないこともあるのかもしれませんが。  なんにせよ、このままの調子で3人とも成長していけば、次回オリンピックでのメダルも夢ではないかもしれません。今大会でも高橋大輔が、ステップが一箇所だけ乱れたかなー、という以外はほぼ完璧な演技でショートプログラム2位につけていますし。フリーの演技如何によってはトップも狙えます。織田信成は少々がんばりすぎて転んでましたが、それでもまだ3位は狙える圏内です。  男子でこれだけ期待できるようになるとは、昔は夢にも思いませんでしたね…。  さて、女子の方では、下馬評通り浅田・安藤がそれぞれ1位、2位につけてます。正直なところ、浅田はだんだん沈んでいくんじゃないかなと思っていました。身体が小さく、軽かったジュニア時代に比べ、最近は背も伸びて重くなりつつあったはずなので、きっとジャン

ノロウィルス?

 フィギュア日本勢は、織田信成以外は壊滅的でしたね。特に高橋大輔が…。序盤はがんばっていましたが、中盤からの崩れようが凄まじかった。ステップの途中で停止しそうになったときは、痛々しいくらいでしたね。  高橋をはじめ、安藤、浅田は体調不良だったらしく、また、それが虚偽でないのは演技を見ても明らかでした。高橋は誰がどう見てもおかしかったし、他にも安藤は演技前のポージングが静止しておらず、浅田は技と技の繋ぎの滑走部分で上半身がおざなりになっているなど、技術以外の部分(体力、あるいは集中力といった部分)がとにかく雑だった。浅田なんて、インタビューの声が鼻声だし。村主については体調面での話は聞いていませんが、なんだか演技の緩急がいつもに比べて曖昧でぼやっとしていた気がします。  なんでしょうね、ノロウィルスでしょうか? でも場所はロシアだし…。  とにかく、選手たちの早期回復を祈るばかりです。長引くと練習に影響しますし。  さて、日本勢の沈黙をよそに、外国勢は元気でした。女子のキム・ヨナはもちろん、男子勢が特によかった。ひときわ目をひいたのはアルバン・プレオベールでしょうか。まぁ、ある意味当然なんですが(笑。ルックスはちょっと濃いですが、なんとなくフィリップ・キャンデロロを観ているような気分になる選手です。フランスの選手は明るい人が多いんですかね。今回もまさに「演技」と表したいような滑走で、観ていて楽しくなります。ステップワークについても、格別スケートにおける高等技術を実現しているわけではないですが、とにかく軽やかかつリズミカルで、思わず魅入られてしまいます。こういう人が増えると良いなぁ。  また、優勝したブライアン・ジュベールについても、4回転こそなかったですが見事なトリプルジャンプの連続で、さすが現役選手最強のジャンパーの呼び声高い選手。圧巻でした。…カルテットジャンプもやってほしかったけどね。まぁ、それは贅沢というものでしょうか。  さて、とりあえず今日でGPシリーズも終了。お次は3月の世界選手権です。今回残念な結果に終わった選手は気持ちをリセットして、栄光を掴んだ選手はこのままの勢いで、表彰台の頂点を目指してがんばってほしいものです。 2006年12月17日

机が広くないと作業できません

 コンビニでファミ通を手に取ったら、坂口博信さんと稲船敬二さんの対談(司会進行は浜村弘一さん)が載っていたので、じっくり読もうと購入。たいへん楽しく読んだのですが、それとは別に気になる記事を発見。  新作ゲームクロスレビューのコーナーですが、PS3とXbox360の両方で12月21日に発売予定の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」(セガ)について、なぜか一人だけPS3版の方が1ポイント低いレビュアーがいる。記事を読むと、「Xbox360版にはない処理落ち」が評価の分かれ目になったらしい。  え?なんで? PS3の方が性能がいいはずでしょ?  疑問に思ったので調べてみると、原因らしきものを発見。  メインメモリの容量なのですが、Xbox360がVRAMとの共用で512MBなのに対し、PS3はメインメモリとVRAMがそれぞれ256MBの分離型。ああ、これのせいかと納得。VRAMを256MB全部使い切ったとは思えないから、多分メインメモリに火がついてるんだろうなぁ。  さらに調査を進めていくと、GPUの取り回しについても、メモリ帯域の狭さによりかなりツラいことになってるらしい。  そういえば、初代PSとPS2も、メモリが少ないというのが最大のウィークポイントだって言われてたなぁ。メモリをケチるのはソニーの伝統なのかしらん。  まぁ、でも、少ない少ないと言われていたメモリで、ちゃんとPSもPS2も勝ち残ってきたわけだから、今回も開発者が何とかする…かな? 「無理だ、出来ない」と嘆きながら、いつの間にか実現しちゃってるのが技術屋って言う生き物だし。  あとはコスト問題(ソフト開発、ハード製造共に)さえ何とかなれば…。  …しかし、それよりも年内にちゃんと100万台出荷できるんですか。いつお店に行っても売り切れなんですが…Wiiもそうだけど。  別に買う予定はないんだけど、何となく心配になっちゃいますね。  売り切れというと、今日ゲームショップを覗いたら、「地球防衛軍3」と「お姉チャンバラvorteX ~忌血を継ぐ者たち~」(共にD3パブリッシャー)が売り切れだった。ペケ箱のソフトに売り切れマークがついてるのを初めて見たので、ちょっと新鮮。まぁ、入荷本数が少なかったんだろうことは容易に推測できますが(笑。 2006年12月

PS3、Wii発売の陰で

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 Wii、発売しましたね。大方の予想通り「瞬殺」の勢いで売り切れたようで、この間小売店に行った時には「次回入荷日未定」の張り紙がでかでかと。  数はけっこう用意していたと聞いていたのですが、それでもこの結果とは。Wiiの凄みというか、今回の次世代機の注目度の凄みというか。  でもPS3にしろWiiにしろ、あとNintendoDSにしろ、いつ行っても「売り切れ」というのは、あんまり見てて気持ちの良いものではないですね。メーカーの好きでそうなっているわけではないことは理解できますが、もうちょっと供給の水流を確保できないものでしょうか。  特に任天堂系のハードは小さな子供がほしがる類ものですしね。お父さんとお母さんに連れられて買いに行ったのに「売り切れです」って言われたんじゃ、可哀想です。  PS3については、まぁこちらはどちらかといえば大人が買う類のハードだから、多少は我慢もできるでしょうけれど…。でもやっぱり、買いに行ったらある、というのがいちばんですよね。  そこへ行くと、Xbox360は優秀っつーかなんつーか、もうそういう戦争とは無縁の場所で寂しく展開してますね(泣。使ってみるとけっこう良いハードなんだけどなぁ。  昔から、どうもアウトローのハードに食指が動かされます。スーパーファミコンは持ってなかったけどPC-EngineDuoは持ってたし、PS2よりも Dreamcastの方が好きだったし。みんな良いハードでしたよ。それにソフトも充実してたし。「天外魔境2」(ハドソン)とかいまだに思い出すし、「ファンタシースターオンライン」(セガ)がコンシューマRPGの歴史を変えたことに微塵も疑いを抱いてないし。「SonicAdventure」(セガ)を最初に見たときの衝撃はいまでも忘れられないし、「銀河お嬢様伝説ユナ」(ハドソン)がなかったらギャルゲーに手を出すことは絶対なかったと思う。  誰もが、きっと夢中になれるゲームが確かにリリースされていた。  でも、全体のシェアで見れば、どちらもほぼ惨敗といって良い状態だったわけです。きっと、ソフトとハードと両方が揃っているだけではダメで、そこにハードメーカーの戦略とか、あるいは小売店の協力とかが必要なんでしょう。そして何より、「時代の風」がそのハードに吹くかどうか。それはほとんど「運」で